当時のウールネクタイには、ベストやブランケットに付けられているORTEGA'S WEAVING SHOPではなく、5代目当主だったNICACIO ORTEGA'Sのラベルが付けられています。

「INDIAN HAND LOOMED（インディアンの手織り）」とタグに表記されていますが・・・これが、オルテガ社製チマヨベストやブランケットが「インディアンの手織り」と現在まで勘違いされる元になったようです。

オルテガ社の創業者一族、ベスト用ファブリックやブランケットを織る職人さんたちは、全てスペイン系移民の末裔またはその混血です。

当時のオルテガ社では、これら手織りウールネクタイを自社生産していた記録がありませんので、おそらくサンタフェにあったMcCROSSEN TEXTILES 或いは Southwest Arts and Crafts社（Ganscraft）のOEM品だと推測されます。

• 素材：ウール100%　手織り
• 幅 75 x 全長 1360 mm
• カラーリング ： オートミールグレー、グレー、ライトグリーン、ダークグリーン
• アメリカ製
• ドライクリーニングをお勧めします
• 古物商許可 : 新潟県公安委員会　上越　第461290000826号　衣類商　小林正茂
• 1950年代製の手織りデッドストック品ですが、目立つ日焼けや退色、虫食いピンホール等はございません。年式から見れば、かなり良質のコンディションだと言えるでしょう。現在庫は1点のみです。
• ご覧になるモニター等の特性によっては、商品の色合いが若干異なって見える場合もございます。どうぞご了承下さい。

1950年代後半のオルテガ社パンフレットのコピーです（当店所蔵）

【 NICACIO ORTEGA（ニカシオ・オルテガ　1875 - 1964）5代目オルテガ家当主プロフィール 】

• 1875年、初代Jose Ramon（ホセ・ラモン）とMaria Petra Mestas（マリア・ペトラ・メスタス）夫婦の14子（男5人、女9人）の5男として誕生
• 妻Virginia（ヴァージニア）との間に4男1女（Jose Ramon、Ricardo、Martha、Medardo、David）を授かる
• その4男 David（デーヴィッド）は6代目当主で、現社長 Robert（ロバート）の実父
• 父の初代ホセ・ラモンから手織りの技術を学ぶ
• 1900年頃、妻ヴァージニアと共に日曜雑貨品の販売を開始
• 1912年、現在の形態の基礎となる大規模で本格的な機織り事業を立ち上げる
• 1918年、現在の店舗よりも奥まったPlaza Del Cerroで雑貨店を開業
• 1922年、事業の成功に伴い、村で最初の乗用車を購入
• 1930年代、東海岸からやって来た非ヒスパニック系エスタブリッシュメント、Ganscraft（Southwest Arts and Crafts）等に代表される、いわゆる「アングロ・ビジネス」がサンタフェで台頭すると、デーヴィッドをBurro Weaversへ出向させる
• 1947年から50年の間に、店舗を改装して日用雑貨販売を終了し、チマヨブランケット専業に事業転換する
• 1950年代初頭、Jose Ramonと（第二次大戦から退役した）Davidが事業に参加。デーヴィッドは、Burro Weaversでの経験を事業に大いに活かす。McCrossen TextilesとSouthwest Arts and Craftsが廃業する際に、織り機やその他の機材を買取る
• 年号は不明　周辺道路の拡張・ルート変更に伴い、現在地に移転
• 1964年12月25日、逝去

出典

• CHIMAYO WEAVING ( HELEN R. LUCERO & SUZANNE BAIZERMAN,/ University of New Mexico Press )
• The Weavers of Chimayo - An Ancient New Mexico Craft Lives On ( Neil M. Clark )
• The Tradition of Gabriel Ortega ( Evita Ortega執筆　オルテガ社1990年代の広告 )

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